2020-2021 プロ野球のFA(フリーエージェント)制度を解説

プロ野球FA制度プロ野球

日本シリーズが終わると、FA(フリーエージェント)を取得した選手の動向、外国人選手の去就、契約更改などストーブリーグが始まりますね。

プロ野球のFA制度って意外とわかりづらいですよね⁉当記事では

  • プロ野球のFA制度
  • FA移籍による人的・金銭補償

などをメインになるべくわかりやすく解説します。

プロ野球のFA制度とは

プロ野球のFA制度

プロ野球では一定年数一軍登録されることでFA(フリーエージェント)の権利を取得します。FAには国内FAと海外FAがあります。
FAを使うには日本シリーズ終了日の翌日以降7日以内(土日祝日は除く)に所属球団に宣言をする必要があります。

  • 国内FA・・・日本のプロ野球全球団と自由に交渉できる権利
  • 海外FA・・・日本のプロ野球に加え、メジャーリーグなど海外の球団と自由に交渉できる権利

国内FAと海外FAを取得するのに必要な年数

国内FA・海外FAを取得するには次の期間一軍登録される必要があります。

  • 国内FA・・・大学・社会人出身7年、高卒8年
  • 海外FA・・・一律9年

一度FAを行使した選手が再度FAを取得するまでの期間は一律4年で、その場合、国内・海外のすべての球団と自由に交渉ができます。

FAを取得するための年数計算

FA権を取得するための年数は次のように計算されます。

1軍の出場登録が1シーズンで145日以上の場合、1年とカウントする。

1シーズン145日満たない場合、他のシーズンの登録日数と合算して145日で、1年とカウントする。

FA取得までの日数計算でいくつか特例があります。

  • 故障者特例措置
  • 投手の登録日数加算に関する特例措置
  • クライマックスシリーズ特例措置
  • 新型コロナ特例措置

それぞれ詳しくみていきましょう。

故障者特例措置

グラウンド内で故障(ケガ)をして登録日数が145日満たさない場合、登録抹消日から2軍公式戦に出場するまでの期間最大60日加算されます。

故障者特例を受けるための条件
  • 前年度の登録日数が145日満たしていること

ちなみに、故障者特例措置が適用された翌年は特例を使えません。

投手の登録日数加算に関する特例措置

投手の登録日数加算に関する特例措置は先発ローテーション投手を対象とした制度で、開幕時とオールスターの前後が対象となります。

投手の登録日数加算に関する特例措置の詳細
  • 開幕時:先発ローテーション投手が、開幕日から7日以内に1軍登録された場合、開幕日から最初の登板日までの期間が加算
  • オールスター時:先発ローテーション投手が、オールスター第1戦の7日前以降に登録抹消され、かつオールスター最終戦後7日以内に1軍再登録された場合に、登録抹消日から1軍再登録前日までの日数を加算

クライマックスシリーズ特例措置

レギュラーシーズン最終日からクライマックスシリーズ初戦までの間が10日以上開く場合、規定の日までに再登録されれば登録扱いとなります。

クライマックスシリーズの期間も出場登録日数にカウントされます。クライマックスシリーズに出場したチームの方が有利です。

新型コロナ特例措置

2020年シーズンは試合数が短縮されることにより通常の1.3倍で1軍出場登録日数が計算されます。

新型コロナ特例によりヤクルトスワローズの石山投手、広島カープの田中選手などが適用を受けています。

2020年版FA移籍のスケジュール

2020年のFA移籍のスケジュールをまとめてみました。

  1. 両リーグの公式戦終了日の2日後にFA権を持っている選手を公示される→2020年フリーエージェント有資格選手(日本野球機構HP)
    (2020年は11月17日に公示済)
  2. 日本シリーズ終了翌日から7日間以内(土日祝除く)以内にFA権を行使する
    (2020年11月26日~12月4日)
  3. FA権行使期間終了日翌日に「FA宣言選手」が公示される
    FA宣言選手(日本野球機構HP)
    (2020年12月5日)
  4. 「FA宣言選手」が公示された翌日から自由に交渉可能
    (2020年12月6日から)

FA宣言した選手が各球団との交渉に期限はありませんが、年内に決まるケースが多いです。

その他FAのルール

FA宣言した選手が受け取れる年俸や何人まで選手を獲得できるか気になりますよね⁉

ここでは次の内容を説明します。

  • FA宣言した選手に支払われる年俸
  • 1球団がFA宣言した選手を獲得できる人数
  • FA選手の年俸ランク
  • FAを使って海外球団へ移籍する場合

FA宣言した選手に支払われる年俸

FA権を行使した選手は多くの場合、複数年契約が結ばれます。年俸の1年目は原則として旧年俸が上限です。2年目以降は上限はありません。
年俸の他に契約金と出来高が支払われます。

1球団がFA宣言した選手を獲得できる人数

FAで獲得できる人数は原則1球団2名までです。(FA宣言した選手が多い場合は上限が3名以上となる場合があります。)

後ほど説明する旧年俸がCランクの選手は人数の上限に含まれません。

例えばAランクの選手1人、Bランクの選手1人、Cランクの選手1人といった組み合わせなら3人獲得できます。

FA選手の年俸ランク

Aランク日本人選手の旧年俸1~3位
Bランク日本人選手の旧年俸4~10位
Cランクそれ以外

A・Bランクの選手の場合、「金銭補償」か「金銭+人的補償」が必要で、Cランクの選手の場合はこれらの補償はありません。

FA選手は旧年俸によって、A~Cランクに分けられます。ランクに応じて前に所属していた球団への補償内容が変わります。

FAを使って海外球団へ移籍する場合

海外FAを使ってメジャーリーグなどの海外球団へ移籍する場合は、国内の球団への移籍とは異なり、移籍先の人的・金銭補償は発生しません

そのため多くの球団はメジャーリーグへの移籍を希望する主力選手に対し、譲渡金が入る「ポスティングシステム」を認めるケースがあります。

プロ野球FAによる人的・金銭補償

FAによる人的・金銭補償

A・Bランクの選手を獲得する場合、「人的補償」と「金銭補償」があります。

「金銭補償」は必須で、「人的補償」は任意ですが、近年では「金銭補償」+「人的補償」の組みあわせが多いです。

金銭補償の額

金銭補償の金額は1回目にFA取得した場合と2回目以降で異なります。

初回AランクBランクCランク
金銭補償旧年俸の0.8倍旧年俸の0.6倍なし
金銭補償+
人的補償
旧年俸の0.5倍旧年俸の0.4倍なし
2回目以降AランクBランクCランク
金銭補償旧年俸の0.4倍旧年俸の0.3倍なし
金銭補償+
人的補償
旧年俸の0.25倍旧年俸の0.2倍なし

FAによる人的補償の決め方

FAを行使して移籍した場合の旧球団への補償として人的補償を選んだ場合、誰でも選べるわけではありません。
人的補償から選ばれないようにプロテクトを28人かけられます。

プロテクトから外れた選手のリストが旧球団に渡り、その中から選ばれます。
ちなみに、その年のドラフト会議で指名された新人選手と外国人選手、FA宣言残留選手は人的補償の対象外です。

プロテクトリストは非公開ですが、主力選手や若手選手に対してプロテクトをかける場合が多いです。

人的補償選手(2019年)
選手名移籍元→移籍先人的補償選手
美馬学(投手)楽天→ロッテ酒井知史(投手)
鈴木大地(野手)ロッテ→楽天小野郁(投手)

2020年プロ野球FA宣言選手一覧・動向まとめ

2020年にFA宣言した選手の動向をまとめてみました。

選手名所属球団FA種類ランク移籍or残留移籍先補償人的補償選手
増田達至
(投手)
西武国内FABランクFA宣言残留
熊代聖人
(野手)
西武国内FACランクFA宣言残留
梶谷隆幸
(野手)
DeNA国内FABランクFA移籍巨人人的補償田中俊太
(野手)
井納翔一
(投手)
DeNA国内FACランクFA移籍巨人
小川泰弘
(投手)
ヤクルト国内FABランクFA宣言残留
澤村拓一
(投手)
ロッテ海外FABランク海外FA移籍レッドソックス
松永昂大
(投手)
ロッテ国内FABランクFA宣言残留

プロ野球のFA(フリーエージェント)制度まとめ

プロ野球のFA(フリーエージェント)制度

FA(フリーエージェント)制度は何となくわかっていても、細かいルールや仕組みは知らないことも多いのではないでしょうか。

FAはプロ野球選手が長い期間、1軍登録されて得た権利ですので、権利を取得した選手は後悔のない選択をしてほしいといちプロ野球ファンとして思っています。

今回はプロ野球のFA制度とそれに伴う人的・金銭補償を解説しました。参考になれば幸いです。

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