メジャーリーグへの移籍する方法として、海外FAの他にポスティングシステムがあります。
ポスティングシステムは少しややこしい制度ですが、当記事では海外FAとの違いを含めて、なるべくわかりやすく解説します。
ポスティングシステムとは

ポスティングシステムとは海外FA権を持たない選手がメジャーリーグなどへの移籍を希望する場合に球団側が行使する制度です。
球団が移籍を容認する代わりに、新たに契約するメジャー球団から譲渡金を受け取ります。
ポスティングシステムは球団側に権利があるので、いくら選手が希望しても球団が認めない限り使えません。
ポスティングシステムの行使は選手の契約年数などのしばりはありません。
何年目で認められるかは、球団の状況と選手の実績に応じて決まります。
- 所属球団がポスティングを容認する
- 球団は期間内にNPB(日本野球機構)コミッショナーに通知
(2020年は11月8日~12月12日) - NPBコミッショナーはMLB(メジャーリーグ)コミッショナーに通知
- 通知の翌日から30日間、MLBのすべての球団と交渉可能
- 交渉成立の場合、譲渡金が支払われる
期限内に交渉が成立しない場合、もともといた球団と再契約になるケースが多いですが、自由契約となる場合もあります。
ポスティングシステムの譲渡金

メジャーリーグとの交渉が成立した場合、球団に譲渡金が支払われますが、金額の計算方法が少しややこしいです。
譲渡金の金額はメジャー契約とマイナー契約で異なります。メジャー契約になるためには、25歳以上でなおかつ日本プロ野球に6年以上の在籍が必要です。
譲渡金の金額=A+B+C+D
A:総額の2500万ドルまでの部分…20%
B:総額の2500万ドルを超えて5000万ドルまでの部分…17.5%
C:総額の5000万ドル以上の部分…15%
D:出来高…15%
※総額は契約金、年俸、バイアウト(契約解除)額の合計
契約金の25%
譲渡金は契約合意した球団から今まで所属していた球団に一括もしくは分割で支払われます。
ポスティングシステムと海外FAの違い

メジャーリーグに移籍する方法にはポスティングシステムの他に海外FA制度があります。
海外FAとポスティングシステムの大きな違いは次の3つです。
- 選手が権利行使できる
- 権利を行使するのに1軍登録期間が9年必要
- メジャー球団からの人的・金銭の補償がない
海外FAでメジャーリーグ移籍すると、これまで所属していた球団には1円も入ってきません。その点から、海外FA権を取得する1~2年前にポスティングを認める球団が多いです。
ポスティングシステムまとめ


ポスティングシステムは選手にとって海外FAの取得を待たずにメジャーへ行けます。球団にとっても譲渡金が支払われるメリットがあります。
その一方、ポスティングシステムが使えるかどうかは球団に委ねられているので、選手にとって公平な制度とはいえません。
ポスティングシステムも海外FAも改善の余地があるような気がします。
というわけで、今回はポスティングシステムについて解説しました。参考になれば幸いです。