夏の自由な旅に欠かせないのが、JR全線の普通列車・快速が乗り放題になる 「青春18きっぷ」。
春・夏・冬のシーズン限定で発売されるこのきっぷは、学生から社会人、シニア世代まで、誰でも気軽に鉄道の旅を楽しめる大人気のフリーパスです。
「青春18」と名前がついていても、年齢制限は一切なし。
思い立ったら、切符片手に列車へ飛び乗り、日本全国どこまでも――。
のんびり鈍行で旅する時間こそが、青春18きっぷの最大の魅力です。
この記事では、2025年夏シーズンの青春18きっぷの最新情報や変更点、購入方法、使いこなしのコツをわかりやすくまとめています。
格安で遠くへ行きたい方も、ゆったり鉄道旅を楽しみたい方も、今年の夏は「青春18きっぷ」で思い出に残る旅へ出かけてみませんか?
青春18きっぷとは

「青春18きっぷ」は、JR全線の普通列車が乗り放題になるおトクなフリーパスです。
2025年夏シーズンも販売されますが、従来とは大きくルールが変わっています。
これまでの「青春18きっぷ」は 5回分12,050円 で、利用者同士でシェアしたり、好きな日に分けて使うことができました。
しかし、2024~2025年冬シーズンからは「連続する5日間」専用のきっぷに変更され、1人でしか使えない仕様になっています。
さらに新しく、短期旅行に便利な 3日間用(10,000円) が登場しました。
ただし5日用と比べて割高になるため、旅行スタイルに合わせて選ぶことがポイントです。
青春18きっぷの利用可能エリア
青春18きっぷのフリーエリアは以下のとおりです。
- JR全線
(JR北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州) - JR東日本BRT
気仙沼線BRT:「柳津〜気仙沼」
大船渡線BRT:「気仙沼〜盛」 - JR九州(バス)日田彦山線BRT
「添田〜日田」 - JR西日本の宮島フェリー
(別に宮島訪問税100円必要)
青春18きっぷはJR全線の普通列車とJR東日本・JR九州が運行するBRT、宮島行きの宮島フェリーに乗車できます。
時間あれば、東京から名古屋をはじめ、大阪、岡山、広島と普通列車を乗り継いで移動できます。
BRTとはバス・ラビット・トランジット(Bus Rapid Transit)の略で、バス専用道、バス専用レーンなどを組み合わせることで、速達性・定時性を確保したバスシステムです。
宮島フェリー乗船時に宮島訪問税が必要
JR西日本の宮島フェリーに乗車する場合、宮島訪問税が1人1回100円が別にかかります。
「青春18きっぷ」で乗船する場合、JRフェリー券売機で宮島訪問税券の購入が必要です。
》詳しくはこちら
乗れる列車・乗れない列車|青春18きっぷの対象車種まとめ
ここでは、青春18きっぷで乗れる列車・乗れない列車をまとめました。
- 普通(快速)列車 自由席
(グリーン券購入でグリーン車も乗車可) - 普通(快速)列車 指定席
(指定席券購入で乗車可) - ライナー号
(ライナー券購入で乗車可) - 特例で特急列車に乗車できる区間(後述)
- 北海道新幹線 新青森~木古内
(オプション券購入で乗車可)
- 新幹線
(新青森~木古内間のオプション券利用を除く) - 特急・急行列車
(一部区間を除く) - 寝台列車
- 普通(快速)列車のグリーン車指定席
青春18きっぷでは、基本的に新幹線や特急列車には乗車できません。
新幹線や特急列車に乗車する場合、特急券の他に、当該区間の乗車券が必要となります。
特例で特急列車に乗車できる区間
青春18きっぷでは特例で青春18きっぷのみで特急列車に乗れる区間があります。
■JR北海道
- 室蘭本線
東室蘭〜室蘭 - 石勝線
新夕張~新得間
上記の区間のみ利用する場合、特急列車の普通車指定席の空いている座席に座れます。
ただし、座っている座席の指定席券を持っている人が来たら、席を譲る必要があります。
また、当該区間を超えて利用する場合、全区間の運賃・料金がかかります。
■JR東日本
- 奥羽本線
新青森~青森間
上記の区間のみ利用する場合、特急列車の普通車自由席に座れます。
また、当該区間を超えて利用する場合、全区間の運賃・料金がかかります。
■JR九州
- 佐世保線
早岐~佐世保間 - 宮崎空港線
宮崎~宮崎空港間
上記の区間のみ利用する場合、特急列車の普通車自由席に座れます。
特例区間を超える場合、区間外の乗車券と特急券を追加購入すれば、特例区間内は青春18きっぷのみでOKです。
特例で第3セクターに乗れる区間
青春18きっぷでは基本的にはJR線以外は利用できません。
ただし特例として、以下の第3セクター区間に乗車できます。
いずれの区間もJR線から鉄道会社線を経由してJR線へ乗車する場合にのみ対象です。
鉄道会社名 | 区間 | 途中下車 可能駅 |
---|---|---|
青い森鉄道 | 青森〜八戸 | 青森、野辺地、八戸 |
あいの風 とやま鉄道 | 富山〜倶利伽羅 | 富山、高岡 |
IRいしかわ鉄道 | 倶利伽羅〜津幡 | 津幡 |
ハピラインふくい | 越前花堂〜敦賀 | 越前花堂・敦賀 |
いずれも以前はJRの路線でしたが、新幹線開業に伴い第3セクター化された路線です。
途中下車すると、通常通りの運賃がかかるので注意が必要です。
【2025年夏】青春18きっぷ 発売期間・利用期間・価格

青春18きっぷは春・夏・冬の年3回発売されています。
2025年度は、8月の時点で「夏」期間が発表され、「冬」期間について発表されていません。
発売期間(2025年夏)
[3日間用]2025年7月4日~2025年9月7日
[5日間用]2025年7月4日~2025年9月5日
※利用開始日の1ヶ月前から当日まで購入可能です。
従来とは異なり、9月に入ってからでも発売されています。
利用期間(2025年夏)
2025年7月19日~2025年9月9日の連続する3日間or5日間
※購入時に乗車開始日を決める必要があります。
販売場所・購入方法
- JRの主な駅の指定席券売機
- みどりの窓口・旅行センター
- 提携販売センターおよび主な旅行会社
値段・支払い方法・注意点
[3日用] 10,000円
[5日用] 12,050円
(おとな・こども同額)
支払い方法
現金もしくはクレジットカード
きっぷの払戻
未使用の場合のみ、手数料220円で可能です。
青春18きっぷ|2025年の変更点と注意事項まとめ

2025年夏シーズンの青春18きっぷは、これまでとルールが少し変わっています。
「連続利用のみOK」や「複数人での利用が不可に」など、知らずに使うと困るかもしれないポイントも…。
ここでは、2024年冬から適用された変更点や、事前に確認しておきたい注意事項をわかりやすくまとめました。
これから青春18きっぷを使う方は、ぜひチェックしておきましょう!
「連続する3日間・5日間利用」に変更
青春18きっぷは、2024年夏シーズン以前は任意の5日間で利用できました。
しかし、2024年冬シーズンからは「連続する3日間」または「連続する5日間」のみ利用できる形に変更されました。
以前は、例えば7月26日、7月27日、8月3日、8月10日、8月11日といったように飛び飛びの日程で使うことが可能でした。
しかしリニューアル後は、7月26日から利用を開始した場合、3日間用なら7月28日まで、5日間用なら7月30日までの連続した期間のみ使えます。このため、使える日程の自由度が減ってしまいました。
また、3日間用は10,000円で、1日あたりの料金が約3,333円となり、5日間用(1日あたり約2,400円)と比べると少し割高です。
複数人利用の廃止
従来の青春18きっぷは、同じ行程であれば複数人で1枚を共有して使うことができました。
例えば、2人で2日間利用し、残りの1回分を1人で使うといった使い方も可能でした。
しかし、リニューアル後の青春18きっぷでは、1人1枚ずつ購入する必要があり、グループでの利用がしづらくなりました。
この変更により、家族や友人と一緒に使う際の柔軟性が減ってしまいました。
自動改札機に対応するように
従来の青春18きっぷは日付印を押す横長のきっぷだったため、自動改札機を通せず、有人改札で駅員さんにきっぷを見せる必要がありました。
リニューアル後はきっぷを自動改札機に通せるようになり、駅の有人改札を並ぶ必要がありません。
有効期間の時間ルール(0時→終電)
従来は乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効でしたが、リニューアル後は、有効期間最終日の終電まで有効となりました。
2024年夏以前との違いを比較
2025年夏の青春18きっぷは、これまでのルールと大きく変わった部分があります。
違いがわかるように、2024年夏までとの比較表をまとめました。
項目 | 2024年夏以前 | 2025年夏 | ポイント |
---|---|---|---|
利用日数 | 5回分を「自由な日」で利用可 (連続・分散どちらもOK) | 連続する3日間・5日間 のみ利用可 | 分散利用が できなくなった |
複数人利用 | 1枚を人数で分けて 同時利用OK | 複数人利用は廃止 | 友達や家族でシェア できなくなった |
改札の通過方法 | 原則、有人改札で提示 | 自動改札も利用可能に | 利便性UP |
有効時間 | 翌日の0時まで (東京・大阪の電車特例あり) | 終電まで利用可能 | 実質的に 利用時間が延びた |
北海道新幹線 オプション券 | 奥津軽いまべつ〜木古内 | 新青森〜木古内 | 対象期間 変更 |
ご覧のとおり、連続利用になったり複数人で使えなくなったりと、使い方がちょっと変わっています。
北海道新幹線オプション券の使い方・料金(2025年夏)

青春18きっぷだけでは津軽海峡を越えられません。
その救済策としてできたのが「北海道新幹線オプション券」です。
利用できる区間とルール
- 北海道新幹線 新青森~木古内
(普通車の空いている席に座れます) - 道南いさりび鉄道 木古内~五稜郭
「北海道新幹線オプション券」は北海道新幹線(新青森駅〜木古内駅)と道南いさりび鉄道(木古内駅~五稜郭駅間)片道1回利用できます。
発売期間・利用期間(2025夏)
- 発売期間:2025年7月4日~9月9日
- 利用期間:2025年7月19日~9月9日
青春18きっぷと異なり、北海道新幹線オプション券は利用期間最終日まで販売しています。
販売場所と値段
北海道新幹線オプション券は4,650円で、以下の場所で販売しています。
- 主な駅の指定席券売機
- みどりの窓口
- 提携販売センターおよび主な旅行会社
北海道新幹線オプション券の使い方
北海道新幹線(新青森〜木古内)間を利用する場合、青春18きっぷと北海道新幹線オプション券の2枚を新幹線自動改札に通します。
降りるときも同様に自動改札を通します。
道南いさりび鉄道では係員に青春18きっぷと北海道新幹線オプション券を提示してください。
北海道新幹線オプション券の注意点
北海道新幹線オプション券を使うにあたり、3点ほど注意点があります。
- 「北海道新幹線オプション券」のみの利用はできません。
- 北海道新幹線「新青森~木古内」間を超えて利用する場合、新幹線全区間の運賃・料金がかかります。
- 道南いさりび鉄道では木古内駅以外では途中下車ができません。
(道南いさりび鉄道の各駅で下車した場合、道南いさりび鉄道乗車全区間の運賃が必要です)
青森→函館のモデルケース
青森から函館へ行く場合、青春18きっぷだけでは新幹線に乗れないため、北海道新幹線オプション券が必要です。
ポイントは乗り換え2回でスムーズに函館まで到着できることです。
必要なきっぷ
- 青春18きっぷ
- 北海道新幹線オプション券
(新青森〜木古内特急券+木古内〜五稜郭の片道乗車券)
乗り換えのポイント
- 青森駅 → 普通列車で 新青森駅 へ
- 新青森駅 → 北海道新幹線で 木古内駅 へ
- 木古内駅 → 道南いさりび鉄道で 五稜郭駅 へ
- 五稜郭駅 → 函館駅(普通列車・快速で到着)
この流れを押さえれば、青森→函館の移動は迷わずスムーズです。
なお、青森〜函館の行き方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事でまとめています。
青春18きっぷの使い方

青春18きっぷは、3日間or5日間連続利用、自動改札対応・終電までOKといった新ルールが導入され、使い方も以前とは少し変わっています。
ここでは、最新のルールに基づいた使い方を、シンプルにわかりやすくご紹介します。
改札口の通り方
青春18きっぷを使い方は、自動改札に通すだけです。自動改札のない駅では有人改札を通ります。
下車するときは、自動改札に通すか、改札できっぷを見せて通ります。
自動改札を使う場合、きっぷの取り忘れに注意してください。
途中下車のルール
青春18きっぷは有効期間内であれば、途中下車が何度でもOKです。
乗継時間が長い時は、途中下車をして食事をしたり、買い出しをしたりすると有効に時間が使えます。
第3セクター線をまたがる場合
JRの路線には、第三セクターの区間をまたいで走る直通列車もあります。
たとえば、快速「みえ」が通る伊勢鉄道の区間(河原田~津間)などがその代表例です。
このような列車に乗るときは、青春18きっぷで特例的に利用できる区間を除いて、第三セクター区間の運賃が別途必要になります。
乗り換えなしで通過しても、青春18きっぷだけではカバーできない場合があります。
旅行前に、どの路線・区間が青春18きっぷの対象外になっているかをチェックしておくと、余計な出費やトラブルを防げますよ。
乗り換えのコツ(アプリ・時刻表の活用法)
青春18きっぷでの旅は、乗り換えがスムーズだと移動が格段に楽になります。
ポイントは、アプリや時刻表を上手に活用することです。
アプリの活用
・JR公式アプリ(JR東日本など)
発車時刻やホーム番号、運行状況をリアルタイムでチェックできます。
遅れや接続列車の変更にも対応できるので、旅の途中でも安心です。

- 乗換案内アプリ(Yahoo!乗換案内など)
青春18きっぷに対応した「普通列車・快速だけ」のルートを検索できます。所要時間や乗り換え回数、駅間の徒歩距離もわかるので、迷わずルートを決められます。

時刻表も活用
- 紙の時刻表(JR時刻表など)
乗換案内に出てくるルートだけじゃなく、前後の列車の時間や他の接続列車との関係もチェックできるから、旅行プランを立てるときに便利です。
青春18きっぷにおすすめなホテル比較サイト

「青春18きっぷ」は、3日間・5日間の有効期間内でJRの普通列車に乗り放題のきっぷです。
日帰り旅にも使えますが、せっかくならホテルや温泉宿に泊まりながら、のんびりと列車旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
宿泊をうまく取り入れることで、朝からたっぷり移動できたり、普段はなかなか行けない観光地にも足を延ばせます。
移動と宿泊をセットで考えると、より効率的に青春18きっぷを活用できますよ。
また、楽天トラベルやJTBなどの旅行予約サイトでは、期間限定の宿泊クーポンやセールも豊富に用意されています。
楽天トラベルなどの予約サイトでは予約時に使える割引クーポンを配布している場合があります。
予約する前に割引クーポンチェックしてください!各社のクーポンページにリンクしています。
青春18きっぷの買い方・使い方|よくある質問

青春18きっぷの買い方・使い方についてよくある質問をまとめました。
- Q青春18きっぷは誰でも買えますか?
- A
はい、年齢や学生かどうかに関係なく、誰でも購入できます。中高生から大学生、社会人、シニアまで、全国どこでも自由に使えるフリーパスです。
- Q青春18きっぷは複数人でシェアして使えますか?
- A
2024年冬以降は、1枚を複数人で分けて使うことはできなくなりました。
1人1枚での利用となりますので、グループ旅行の際は人数分の購入が必要です。
- Q青春18きっぷで途中下車はできますか?
- A
有効期間中であれば何度でも途中下車ができます。
青春18きっぷの買い方・使い方|まとめ

今回は春・夏・冬休み期間に利用できる青春18きっぷなどを紹介しました。
- JR全線の普通列車が乗り放題
- 連続する3日間・5日間利用可能
- 自動改札機利用可能
- 新幹線・特急列車には乗車できない
(一部区間を除く) - 北海道新幹線オプション券がある
青春18きっぷは、2025年夏シーズンも2024年冬シーズンと同じく、「連続した3日間」または「連続した5日間」の形で発売されています。
価格は、3日用が10,000円、5日用が12,050円と、2024年冬シーズンから変更はありません。
旅の予定がある方は、この機会に青春18きっぷを使ってみてはいかがでしょうか?
JRの普通列車乗り放題のきっぷ
■北海道&東日本パス
JR東日本・北海道の普通列車が7日間乗り放題のきっぷです。
IGRいわて銀河鉄道や青い森鉄道もフリーエリアに含めれています。
■東日本のんびり旅パス
JR東日本の普通列車が3日間乗り放題のきっぷです。
料金は大人9,000円と、青春18きっぷの3日用より1,000円安いです。
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