JR東日本では関東・甲信越・東北エリアの週末旅行向けに「週末パス」があります。
週末パスは、JR東日本をはじめ、フリーエリア内の14私鉄が2日間乗り放題のきっぷです。
また、別に特急券を購入すれば新幹線や特急列車にも乗車できます。
週末の1泊2日の列車を使った旅行をはじめ、日帰りの鉄道旅行にもおすすめです。
当記事では週末パスについて、以下の内容をメインに解説します。
- 週末パスの買い方・使い方
- 週末パスのメリット
- 週末パスとトクだ値との料金比較
ぜひ参考にしてみてくださいね。
週末パスとは

JR東日本が発売している週末パスは関東・甲信越・南東北のフリーエリアの普通・快速列車が2日間乗り放題のきっぷです。
週末パスの特徴として、まずフリーエリアの広さがあげられます。

週末パスで酒田、湯沢、くりこま高原、小牛田より南のJR東日本全路線に乗車できます。
新幹線は、東北新幹線(東京~くりこま高原)、北陸新幹線(東京~上越妙高)、上越新幹線、山形新幹線に乗車できます。
週末パスで新幹線に乗る場合、別に特急券が必要です。
JR東日本以外にも、地方私鉄、第3セクター路線など多くの路線に乗車できます。
乗車できるのは以下の私鉄・第3セクター路線です。
- 山形鉄道
(赤湯~荒砥) - 福島交通
(福島~飯坂温泉) - 会津鉄道
(西若松~会津田島) - 阿武隈急行
(福島~槻木) - ひたちなか海浜鉄道
(勝田~阿字ヶ浦) - 鹿島臨海鉄道
(水戸~鹿島サッカースタジアム) - 北越急行
(六日町~犀潟)
- えちごトキめき鉄道
(妙高高原~直江津) - 長野電鉄
(長野~湯田中) - しなの鉄道
(軽井沢~篠ノ井、長野~妙高高原) - アルピコ交通
(松本~新島々) - 上田電鉄
(上田~別所温泉) - 富士急行
(大月~河口湖) - 伊豆急行
(伊東~伊豆急下田)
伊豆急行や上田電鉄、長野電鉄など温泉地へ行く路線も対象なので、観光にも使い勝手がよいですよ。
週末パスの料金・期間
週末パスの料金・発売期間・利用期間は以下のとおりです。
- 料金:大人8,880円、こども(小学生)2,600円
- 発売期間:乗車日1ヶ月前から前日まで
- 利用期間:土日祝日の連続する2日間
※週末パスは乗車日当日には購入できませんので、ご注意ください。
週末パスの利用可能期間
週末パスは2025年3月30日までの土休日の連続する2日間利用できます。
8/10-8/19、12/28-1/6を含む期間は利用できません。
2025年1月〜3月の利用可能期間は以下のとおりです。
年 | 月 | 利用可能期間 |
---|---|---|
2025 | 1 | 1/11-1/12、1/12-1/13 1/18-1/19、1/25-1/26 |
2025 | 2 | 2/1-2/2、2/8-2/9、2/15-2/16 2/22-2/23、2/23-2/24 |
2025 | 3 | 3/1-3/2、3/8-3/9、3/15-3/16 3/22-3/23、3/29-3/30 |
週末に限りますが、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」が使えない期間も利用可能です。
ただし、お盆、年末年始、ゴールデンウィークは使えません。
週末パスの買い方

週末パスはJR東日本の指定席券売機やみどりの窓口などで購入できます。
- JR東日本指定席券売機
- みどりの窓口
- JR EAST Travel Service Center
(JR東日本 駅たびコンシェルジュ) - 提携販売センターおよび主な旅行会社
- えきねっと
(JR東日本インターネット予約サービス)

JR東日本の「えきねっと」を利用すれば、前日までにネット上で週末パスを購入が可能ですので、事前に駅で購入する必要がありません。
週末パスと同時に新幹線や特急列車の特急券も購入できます。
「えきねっと」で予約したきっぷは指定席券売機などで受け取る必要があります。
「えきねっと」での週末パスの購入は、フリーエリア外にお住まいの方は特に便利です。
週末パスの使い方
週末パスは定期券サイズのきっぷですので、自動改札機が使えます。
(SuicaなどICカード専用改札は除く)
自動改札機がない駅の場合は、有人改札を利用してください。
無人駅から乗車した場合は、車内検札の際に車掌さんに週末パスを見せてください。
新幹線に乗車する場合
週末パスは別に新幹線特急券を購入すると、新幹線にも乗車できます。
新幹線に乗車する場合、新幹線改札口(乗換口)で週末パスと特急券を2枚同時に投入します。
改札を通ると通過日時・駅名・入場or出場が印字されます。
週末パスのメリット

週末パスのメリットは次の5点です。
- 特急券を買えば新幹線や特急におトクに乗車できる
- 往復で元が取れる場合が多い
- こども料金が格安
- ほぼ1年中利用できる
- 関東・南東北エリアの多くの第3セクター線にも乗れる
それぞれ詳しくみてみましょう。
①特急券を買えば新幹線や特急に乗車できる
週末パスは別に特急券を購入すれば新幹線や特急列車に乗車できます。
「青春18きっぷ」では特急列車・新幹線できませんが、「週末パス」は特急券やグリーン券を組み合わせることで幅広い使い方が可能です。
②往復で元が取れる場合が多い
東京~仙台・新潟など、週末パスで往復するだけで元が取れる場合があります。
目安として、週末に片道241㎞以上往復すれば元が取れます。
新幹線特急券を買えば新幹線にも乗車できるので、比較的使える機会が多いです。
新幹線往復で元が取れるケース
週末パスと特急券を組み合わせて、新幹線で往復するだけ元が取れるケースをいくつか紹介します。
区間・列車名 | 週末パス +特急券 | 通常料金 | おトクに なる金額 |
---|---|---|---|
東京~仙台 (はやぶさ) | 19,600円 | 22,820円 | 3,220円 |
東京~新潟 (とき) | 18,960円 | 21,520円 | 2,560円 |
東京~新庄 (つばさ) | 20,580円 | 26,000円 | 5,420円 |
乗車距離が長くなるほど、おトクになります。
また、特急券は正規料金を支払えば新幹線のグリーン車やグランクラスにも乗車できますので、片道だけワンランク上の座席といった利用も可能です。
③こども料金が格安
週末パスのこども料金は2,600円と大人料金の1/3以下で利用できますので、小学生のいる家族連れの方に特におすすめです。
新幹線で往復した場合のこども料金をまとめてみました。
区間・列車名 | 週末パス +特急券 | 通常料金 | おトクに なる金額 |
---|---|---|---|
東京~仙台 (はやぶさ) | 7,960円 | 11,400円 | 3,440円 |
東京~新潟 (とき) | 7,640円 | 10,760円 | 3,120円 |
東京~新庄 (つばさ) | 8,440円 | 12,980円 | 4,540円 |
週末パスのこども料金が安いので、大人よりも割引率が(区間によっては割引金額も)大きいです。
④ほぼ1年中利用できる
週末パスはお盆や年末年始、ゴールデンウイークを除き、ほぼ1年中利用できます。
「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」と違って、春と秋の行楽シーズンにも使えます。
⑤第3セクター線にも乗れる(関東・南関東エリア)
週末パスはJR東日本だけでなく、「しなの鉄道」や「北越急行」などの第3セクター線にも乗車できます。
また伊豆半島を走る「伊豆急行」や富士山麓を走る「富士急行」、また、会津や長野などの温泉のあるエリアを走る鉄道にも乗れて観光にも使えて便利です。
週末パスのデメリット

関東・南東北エリアの鉄道旅行などにおすすめな週末パスですが、3点ほどデメリットがあります。
- 当日購入ができない
- 別途特急券が必要
- 北東北エリアは乗車できない
それぞれ詳しくみていきましょう。
①当日購入ができない
週末パスは1か月前から前日までの発売で、当日に購入できないのがネックです。
当日に購入できるとより便利なんですが、そこは仕方ないですね。
週末パスを利用する際には必ず前日までに購入しましょう。
えきねっとを使うと駅に行かずに購入可能
インターネット予約「えきねっと」でも購入すれば購入するために駅などに出向く必要がありません。
前日までに駅などに出向くのが難しい場合、週末パスのエリア外にお住まいの方でも購入できます。
②別途特急券が必要
週末パスは特急に乗るときはその都度特急券を購入する必要があるので、多く乗ると意外と金額がかかります。
ただ言い換えると予算にあわせて、普通列車と新幹線や特急列車、普通車とグリーン車を使い分けられるのはよいのではないでしょうか。
また、特急料金を安くする方法として、JRの在来線特急列車が35%割引になる「在来線チケットレス特急券(トク割)」があります。
座席数に限りはありますが、条件があえばかなりおトクに特急列車に乗車できます。
「在来線チケットレス特急券(トク割)」について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
③北東北エリアは乗車できない
週末パスは、関東・甲信越・南東北エリアは使えますが、青森・秋田・岩手の北東北エリアでは乗車できません。
北東北エリアは奥羽本線の湯沢駅より南の区間に限られます。
週末パスとトクだ値の料金比較

新幹線に安く乗車する方法として、えきねっとの割引きっぷ「新幹線eチケット(トクだ値)」があります。
ここでは、週末パスとトクだ値の往復料金を比較しました。
■大人
区間・列車名 | 週末パス +特急券 | トクだ値14 | トクだ値1 |
---|---|---|---|
東京⇔仙台 (やまびこ) | 18,960円 | 15,220円 | 19,580円 |
東京⇔新潟 (とき) | 18,960円 | 14,760円 | 18,980円 |
東京⇔山形 (つばさ) | 19,680円 | 15,720円 | 21,340円 |
新幹線で往復するだけでしたら、14日前まで申込できる「トクだ値14」の方が安くなります。
ただし、トクだ値14は座席数に限りがあります。
前日まで申込できる「トクだ値1」だと、週末パスと料金がさほど変わりません。
また、東京⇔仙台間の場合、トクだ値は仙台発着の「やまびこ」に限定されます。
一方、「週末パス」は別に特急券を購入すれば、速達タイプの「はやぶさ」などにも乗車できます。
■こども
区間・列車名 | 週末パス +特急券 | トクだ値14 | トクだ値1 |
---|---|---|---|
東京⇔仙台 (やまびこ) | 7,640円 | 7,600円 | 9,760円 |
東京⇔新潟 (とき) | 7,640円 | 7,380円 | 9,480円 |
東京⇔山形 (つばさ) | 7,980円 | 7,820円 | 10,620円 |
こども料金の場合、週末パスとトクだ値14を比べ、さほど料金が変わりません。
週末に利用する場合、「週末パス」を選んだ方がよいでしょう。
週末パスにおすすめなホテル比較サイト

週末パスは2日間乗り放題のきっぷですので、せっかくならホテルや温泉宿に宿泊しながら旅行をするのもよいかと思います。
宿泊を伴う旅行なら、日帰りで行くよりも行動範囲も広がりますよ。
ホテルや温泉宿を予約する際は、楽天トラベルなどのホテル予約サイトを使うと便利です。
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予約する前に割引クーポンをチェックしてください!各社のクーポンページにリンクしています。
JR東日本 週末パスの使い方・メリット|まとめ

今回は関東・甲信越・南東北で使える週末パスの使い方・メリットなどを紹介しました。
週末パスは乗車券のみですが、別に特急券を使えば新幹線や特急列車にも乗車できますので、上手に組み合わせるとおトクに使えます。
また、小児料金が格安なので、小学生のいる家族連れにもおすすめなきっぷです。
機会があったら、週末パスを利用して旅行してみるのはいかがでしょうか。
■鉄道旅行におすすめな持ち物
■鉄道旅行におすすめなバッグ